ひとことで言うと
地中海食への取り組みが高いほど、慢性片頭痛のリスクが約64%低かった。
1研究のポイント
- 片頭痛患者448人を調査。そのうち慢性片頭痛(月15日以上)は192人、反復性片頭痛は256人だった
- 地中海食への取り組みが高いグループは、慢性片頭痛になる確率が約64%低かった(OR=0.36)。年齢・BMI・薬の飲みすぎ・カフェインなどを加味しても、この差は変わらなかった
- 月ごとの頭痛日数との関係は、カフェイン摂取や食習慣全体を細かく調整すると弱まった。食事の中でどの要素が効いているかは、まだはっきりしない
2患者の私たちにとって
「地中海食」とは、オリーブオイル・野菜・魚・豆類を中心とした食事スタイルのこと。今回の研究では、こうした食事を実践している患者ほど、頭痛が慢性化しにくい傾向がありました。ただし、これは後ろ向き観察研究なので「食事を変えれば必ず頭痛が減る」とは言い切れません。食事療法を試したい方は、まずかかりつけ医や頭痛専門医に相談してみてください。
3頭痛専門医のひとこと
前川 裕貴(脳神経内科専門医・頭痛専門医)
地中海食と片頭痛の関係、正直もっと早く研究されてほしかった分野です。OR0.36というのはなかなか大きな数字で、食事がただの「生活習慣」ではなく、頭痛の慢性化に関わる本物のファクターかもしれない、と感じさせてくれます。薬だけじゃない選択肢として、食事の話を診察室でもっと気軽にできたらいいですね。
4読むときの注意
これは過去の診療データをさかのぼって分析した観察研究です。因果関係(食事を変えたから頭痛が減った)はこの研究では確認できません。また、対象はトルコの片頭痛専門外来の患者さんに限られており、日本人にそのまま当てはまるとは限りません。
