ひとことで言うと
画面を長時間見る人は、片頭痛になりやすい可能性がある。
1研究のポイント
- 約1万1千人のデータを統合した結果、スクリーン使用時間が多い人の片頭痛リスクは少ない人の約1.6倍(オッズ比1.60)。「体感として2倍近く」と思えばイメージしやすい。
- 大人はリスクが約1.9倍、子ども・10代では約1.5倍と、年代を問わず同じ方向の関係が確認された。
- スクリーン使用と一緒に問題になりやすいのは「睡眠の乱れ」(22研究中18研究で関係あり)、「生活の質の低下」(22研究中20研究)。片頭痛だけの話ではない。
2患者の私たちにとって
スマホやPCの使いすぎが片頭痛に関係していることが、まとまった形で数字に表れてきました。ブルーライトが体内時計を狂わせ、脳が刺激に過敏になる流れが想定されています。ただし、今回の研究のほとんどは「ある時点のスナップショット」を集めたもの。使いすぎが頭痛を引き起こすのか、頭痛持ちの人がスマホに頼る時間が長くなるのかは、まだはっきりしません。「画面を減らしたら楽になるかも」と感じている方は、一度主治医に相談してみてください。
3頭痛専門医のひとこと
前川 裕貴(脳神経内科専門医・頭痛専門医)
「スクリーンが頭痛トリガー」とはずっと言われてきたけれど、これだけの規模でまとめた数字が出てきたのは正直新鮮。ただ証拠の質は「低」判定で、研究のほぼ全部がアンケート頼みの断面調査。臨床では「画面はどのくらい使ってる?」を問診に加えるだけで会話が変わるかもしれない。
4読むときの注意
今回の22研究はほぼすべてアンケートによる「ある時点での調査」のため、画面使用と片頭痛のどちらが先かはわかりません(因果関係は不明)。出版バイアスの可能性も指摘されており、研究者たちも「証拠の強さは低い」と評価しています。
