ひとことで言うと
予防薬217試験を徹底分析、どの薬にどれだけの根拠があるかが整理された
1研究のポイント
- 反復性片頭痛(月に数回発作がある人)では、エレヌマブとガルカネズマブの2つの注射薬が「最も強い根拠あり」と評価された
- 中程度の根拠がある薬には、アトゲパント・エプチネズマブ・フレマネズマブ・プロプラノロール・トピラマート・バルプロ酸が含まれた
- 慢性片頭痛(月15日以上頭痛がある人)では、フレマネズマブ・ガルカネズマブ・ボトックス(onabotulinumtoxinA)が最も強い根拠あり、と位置づけられた
2患者の私たちにとって
アメリカ神経学会と頭痛学会が2017年以降の臨床試験を一気にまとめ、各予防薬の「信頼できる度合い」をランク付けしました。新旧の薬が横並びで比較整理されたことで、医師が患者ごとに薬を選ぶときの地図が更新されたイメージです。日本で使える薬と使えない薬があるので、どんな選択肢があるか、ぜひ主治医と話してみてください。
3頭痛専門医のひとこと
前川 裕貴(脳神経内科専門医・頭痛専門医)
217本の試験を一度に整理したのが今回の本当の価値です。新薬のCGRP関連薬と昔からあるプロプラノロールやバルプロ酸が同じ土俵で評価されている点は実臨床でも参考になります。ただし米国のガイドラインで、日本の薬事承認状況とは一致しない部分があります。
4読むときの注意
これは米国のガイドラインに向けた系統的レビューで、日本の承認状況とは異なります。たとえばエプチネズマブ(ビエプチ)は日本では2026年8月26日の部会で承認が了承されたばかりで、正式承認・発売はこれからです。また薬同士を直接比べた試験のデータは少なく、どの薬が一番効くかの比較には限界があります。
