ひとことで言うと
片頭痛持ちの親は家族歴リスクに敏感だが、受診行動は変わらないことがわかった。
1研究のポイント
- 調査参加者1226人のうち、子どもが頭痛を経験していたのは約23%。片頭痛あり・なしの親で、子どもの頭痛の出方はほぼ同じだった
- ただし片頭痛持ちの親をもつ子どもは、音・光への過敏さや吐き気をともなう頻度が統計的に高く、遺伝的な素因がにじみ出ている可能性がある
- 片頭痛のある親は『家族歴が頭痛リスクになる』という知識は高い一方、実際に子どもを病院へ連れていく行動は、頭痛のない親と大きく変わらなかった
2患者の私たちにとって
親が片頭痛でも、子どもの頭痛への「気づき」と「受診するかどうか」はイコールではありませんでした。知識があっても行動に結びつかないのは、多くの家庭に共通する課題です。お子さんが繰り返す頭痛で学校や日常生活に支障が出ているなら、まず小児科や頭痛外来に相談することを検討してみてください。
3頭痛専門医のひとこと
前川 裕貴(脳神経内科専門医・頭痛専門医)
外来でよく感じるのですが、片頭痛持ちの親御さんは『自分も子どもの頃からそうだったから様子見でいいか』と受診が遅れることがあります。知識と行動のギャップ、この研究がはっきり数字で示してくれたのは臨床的にもリアルな話だと思います。
4読むときの注意
これはアンケートによる横断研究のため、親の知識や行動と子どもの頭痛の経過に因果関係があるかどうかはわかりません。また対象はトルコの複数施設での調査で、日本の家庭環境とは異なる部分がある点もご留意ください。
