ひとことで言うと
薬の使い過ぎによる頭痛に、生活指導や心理的サポートがどれほど役立つかを分析した。
1研究のポイント
- 対象は610人・6つの試験を統合分析。薬の飲み過ぎで起きる「薬物乱用頭痛」の患者が対象
- 短時間の生活・服薬指導でも、頭痛の回数と鎮痛薬の使用日数が臨床的に意味のある水準で減った
- 複数回の集中プログラムでは、月の鎮痛薬使用日数が約3日・頭痛日数が約2.6日追加で減る傾向があったが、試験間のばらつきが大きく、統計的な確実性には届かなかった
2患者の私たちにとって
「薬物乱用頭痛」は、頭痛のたびに鎮痛薬を飲み続けることで逆に頭痛が増えてしまう状態です。薬を減らすことが回復への近道ですが、それが難しいからこそ専門家のサポートが鍵になります。今回の分析では、短時間の指導でも一定の効果がある可能性が出てきました。ただし証拠の質はまだ十分ではありません。自己判断で薬をやめたり減らしたりせず、まず主治医に相談してみてください。
3頭痛専門医のひとこと
前川 裕貴(脳神経内科専門医・頭痛専門医)
薬物乱用頭痛の患者さんへの「お薬を減らしましょう」という指導、実は大変なんですよね。罪悪感もあるし、怖いし。でも短い面談でも効果がある可能性があると示されたのは、外来診療的に希望が持てる話。エビデンスの積み上げに期待したいところです。
4読むときの注意
今回まとめた試験は6件・610人と規模が小さく、試験ごとの方法のばらつきも大きいため、結果をそのまま全員に当てはめることはできません。また観察研究ではなくランダム化試験の統合ですが、異質性が高いため因果関係の断定には慎重さが必要です。
