ひとことで言うと
首の筋トレ・安定化運動が片頭痛の「日常生活のつらさ」を和らげる可能性がある。
1研究のポイント
- 12本の研究を統合分析した結果、片頭痛による日常生活への支障(仕事や家事がしにくい、外出できないなど)は、首の強化運動で「中程度」改善した
- 頭痛の「頻度」や「痛みの強さ」については、統計的にはっきりした効果を確認できなかった——改善傾向はあったが、偶然の差とは言い切れない範囲にとどまった
- 研究の規模が小さく、運動の種類や期間もバラバラだったため、全体的な証拠の質は「非常に低い〜低い」と評価されている
2患者の私たちにとって
首や肩まわりの筋肉を鍛えるリハビリは、片頭痛そのものを劇的に減らすとまでは言えませんが、痛みで動けない日や家事・仕事への影響を減らす助けになるかもしれません。薬だけでコントロールしきれていない方や、首の痛みも抱えている方には特に気になるアプローチです。ただし、自己流でやると逆効果になることも。どんな運動が自分に合うか、主治医や理学療法士に一度相談してみてください。
3頭痛専門医のひとこと
前川 裕貴(脳神経内科専門医・頭痛専門医)
実臨床でも「薬は飲んでいるけど頭痛が残る、首も張る」という患者さんに理学療法を紹介することはよくあります。ただ、今回の分析を見ると研究間のバラつきが大きく、「これをやれば必ず効く」とは言いにくい段階。運動療法は副作用が少ない分、試しやすいのは確かですが、過信せず薬との組み合わせで考えていきたいですね。
4読むときの注意
今回まとめられた研究は規模が小さく、研究のやり方もバラバラだったため、証拠の信頼度は高くありません。観察研究も含まれており、「首の運動が原因で改善した」とは断言できません。今後、大規模な比較試験での検証が必要な段階です。
