ひとことで言うと
卵円孔開存(PFO)持ちの片頭痛患者に抗血栓薬が予防効果を発揮した中国の大規模試験。
1研究のポイント
- 「卵円孔開存(PFO)」=心臓の右と左を隔てる壁に生まれつき小さな穴が残っている状態。片頭痛患者に多いことが知られており、今回1000人規模で抗血栓薬を検証した
- リバーロキサバン(経口の抗凝固薬)を12週飲んだグループでは78%が「月の片頭痛日数または回数が半分以下」に。一般的な予防薬メトプロロールの62%を約16ポイント上回った
- アスピリンやクロピドグレル(血小板を抑える薬)もメトプロロールと同程度の効果があった。また、今回の試験では大きな出血の発生はゼロだった
2患者の私たちにとって
心臓に小さな穴(PFO)があると、静脈側の血栓が脳に回りやすくなるため、片頭痛が起きやすいと考えられています。今回の試験は、その「穴」を持つ人にとって血液をサラサラにする薬が片頭痛予防にも使える可能性を示した注目の研究です。ただし、対象は「PFOが確認された方」に限った話。すべての片頭痛患者に当てはまるわけではありません。自分がPFOかどうかも含め、主治医に一度相談してみてください。
3頭痛専門医のひとこと
前川 裕貴(脳神経内科専門医・頭痛専門医)
PFOと片頭痛の関係は以前から議論されていたけど、ここまで大規模にランダム化試験でやり切った研究は珍しい。リバーロキサバンが予防薬を上回るとは正直驚きで、「頭痛外来×循環器」の連携が今後もっと必要になってくる予感がします。
4読むときの注意
この試験は中国の39施設で実施されたもので、日本人への直接の適用には慎重な解釈が必要です。また、リバーロキサバンは日本でも使われている薬ですが、片頭痛予防としての使用は現時点で保険適用外であり、自己判断での服用は絶対に避けてください。
