ひとことで言うと
注射の予防薬で脳卒中リスクが増えるか調べた米国の研究です。
1研究のポイント
- 片頭痛でCGRP関連の注射薬か、ボツリヌス治療を始めた約2,500人の実際の診療データを分析しました。
- 注射薬を使った1,581人のうち脳梗塞などを起こしたのは14人。一方、ボツリヌス治療の947人では22人でした。
- 統計的には、注射薬が脳梗塞などのリスクを大きく上げるわけではない、という結果でしたが、発生件数が少なく断定はできないとされています。
2患者の私たちにとって
CGRP関連の注射薬は血管に働くため、脳卒中などのリスクを心配する声がありました。今回の研究は、そのリスクが他の治療法と比べて極端に高くなるわけではない、という不安を少し和らげるものです。ただし、まだはっきりした結論ではないので、特に血管系の持病がある方は、お薬を選ぶ際に主治医とよく相談することが大切です。
3頭痛専門医のひとこと
前川 裕貴(脳神経内科専門医・頭痛専門医)
僕たち医師も気になっている、CGRP関連注射薬の長期的な安全性についての研究ですね。実際の診療データでは「すごく危ないわけではなさそう」という結果ですが、まだ参加者も少なく、はっきりしたことは言えません。今後のより大規模な研究に期待したいところです。
4読むときの注意
この研究は実際の診療データを分析したもので、薬と脳卒中の因果関係を証明するものではありません。また、比較対象のボツリヌス治療は日本では片頭痛の保険適用外です。
