ひとことで言うと
市販の鎮痛薬(解熱鎮痛剤+カフェイン)が、新しい処方薬と同等以上の即効性を持つ可能性がある。
1研究のポイント
- アセトアミノフェン・アスピリン・カフェインの合剤(AAC)は、プラセボと比べて2時間後に痛みが取れる確率が約1.76倍——25本の臨床試験・約2万2千人のデータを統合した分析で最も高いスコアをマーク
- 2時間後に「痛みゼロ」になる確率は、AACとイブプロフェン400mgが、処方薬のラスミジタン200mgとほぼ横並び——価格も入手しやすさも違う薬が同じ土俵に立った
- 吐き気への効果は、処方薬リメゲパント75mg(日本ではナルティーク)が最も強く、光過敏・音過敏への効果はAACがトップだった
2患者の私たちにとって
「処方薬のほうが必ず強い」とは限らない——そんな結果が出ました。ただし、この分析は薬同士を直接比べた試験ではなく、別々の試験データを統計的につなぎ合わせたものです。あなたに合う薬は、頭痛の頻度・吐き気の有無・胃腸の状態などで変わります。市販薬で効いているなら続ける価値があるかもしれませんし、効きが悪いなら選択肢が広がっている今こそ主治医に相談してみてください。
3頭痛専門医のひとこと
前川 裕貴(脳神経内科専門医・頭痛専門医)
「市販薬でいいじゃないか」という話を患者さんにするときに、今まではなんとなく引け目があったんですよね。でもこのデータを見ると、AACをきちんと用量通りに使うことの意味が改めてわかる。ただ月に何度も市販薬に手が伸びているなら、それは予防治療を考えるサインでもあります。
4読むときの注意
この研究はネットワークメタ分析といって、薬を直接比べた試験ではなく、異なる試験の結果を間接的につないで計算しています。「市販薬のほうが優れている」と断言できるものではなく、あくまで参考データです。また、ラスミジタン(レイボー)は日本で急性期治療として承認済みですが、ウブロゲパントは日本未承認の薬です。リメゲパント(ナルティーク)は日本で急性期・予防の両方で承認されています。
