ひとことで言うと
中国の漢方由来点鼻薬「丁羅点鼻液」が片頭痛の急性期治療でプラセボを上回る結果を出した。
1研究のポイント
- 投与2時間後に「痛みがゼロ」になった割合:プラセボが1.2%に対し、高用量で14.6%・低用量で17.7%。約12〜15倍の差があった。
- 高用量と低用量の間に効果の差はなく、むしろ副作用(鼻の灼熱感・かゆみ)は低用量のほうが少ない傾向があった。
- 副作用はすべて一時的なもので、しばらくすると自然に消えた。重篤な副作用の報告はなかった。
2患者の私たちにとって
今回の試験は91人・257回の発作という小規模なパイロット段階です。それでもプラセボとの差ははっきり出ており、鼻から吸収する漢方製剤という新しいアプローチとして注目されています。ただし日本では未承認で、現時点で手に入れる手段はありません。既存の治療で効果が不十分と感じている方は、まず主治医や頭痛専門医に今の治療を見直してもらうことから始めてみてください。
3頭痛専門医のひとこと
前川 裕貴(脳神経内科専門医・頭痛専門医)
「2時間で痛みゼロ」の割合が15〜18%というのは、現行のトリプタンなどと比べると正直まだ低い数字です。ただ、鼻から吸収させる漢方薬という切り口はユニークで、注射や飲み薬が使いにくい状況の患者さんへの応用が将来的に議論されるかもしれません。規模の大きな第2相・3相試験の結果を見てから判断したいところですね。
4読むときの注意
これは91人を対象にした小規模な初期試験(パイロット試験)であり、結果の信頼性は今後の大規模試験で検証が必要です。また「丁羅点鼻液」は日本では未承認であり、現時点で国内での入手・使用はできません。
