ひとことで言うと
3種類以上の予防薬が効かなかった難治性患者でも、月1回注射で頭痛日数が大幅に減った
1研究のポイント
- 1か月あたりの片頭痛日数が平均12.3日減少——週3日近く頭痛から解放された計算
- 頭痛の生活への影響を測るHIT-6スコアが平均21点改善——「重度の影響あり」から「やや影響あり」レベルへの変化に相当
- 痛み止めを使う日数も月14.8日減少——薬の飲みすぎ頭痛の悪循環から抜け出せた患者が多かった
2患者の私たちにとって
痛み止めを飲みすぎると、薬が原因で頭痛がさらに悪化する「薬物乱用頭痛」に陥ることがあります。この研究では、そういった状態にある難治性の患者さんでも、月1回のエレヌマブ注射で頭痛の頻度・強さ・生活への影響がすべて改善しました。「もう効く薬がない」と感じている方こそ、一度主治医に相談してみてください。
3頭痛専門医のひとこと
前川 裕貴(脳神経内科専門医・頭痛専門医)
薬物乱用頭痛を合併している患者さんは、そもそも予防薬の効果が出にくいと言われていて、臨床的にかなり悩ましいんです。それでもエレヌマブが効いたというのは、現場感覚とも一致していて、後ろ向き研究ではあるものの「やっぱりそうだよな」と頷ける結果でした。
4読むときの注意
この研究は1施設・73人の後ろ向き観察研究のため、因果関係を断定することはできません。また追跡期間が3か月と短く、長期的な効果については今後の検証が必要です。
