ひとことで言うと
血糖値を個人ごとに測って食事を最適化するアプリが、片頭痛の回数を減らせるか検証した試験の結果です。
1研究のポイント
- 12週後、アプリ使用グループは対照グループより月の片頭痛日数が平均0.53日多く減った(小さな差だが、統計的には意味のある差)
- 「30%以上の改善」を達成した人の割合:アプリ群54.9% vs 対照群42.9%——約1.6倍の開きがあった
- 頭痛による日常生活のつらさ(仕事・家事への影響)もアプリ群のほうが有意に低かった。アプリ由来の副作用はゼロだった
2患者の私たちにとって
血糖値が急に上下しにくい食べ方(低GI食)が片頭痛に良いとは以前から言われていましたが、「何をどう食べるか」は人によって違います。このアプリは皮下センサーで個人の血糖パターンを測り、その人専用の食事アドバイスを出す仕組みです。薬ではないので副作用がない点は魅力ですが、減少幅は小さめ。食事改善を試したい方は、まず主治医に相談してみてください。
3頭痛専門医のひとこと
前川 裕貴(脳神経内科専門医・頭痛専門医)
ドイツで842人という規模はデジタル療法の試験としてはかなり大きい。0.53日という数字だけ見ると地味ですが、薬を追加せず食事指導だけでこれだけ出たのは面白い。ただしオープンラベル(盲検なし)なので期待効果が入り込む余地はあります。日本でこのアプリは使えませんが、低GI食という方向性自体は今日から参考にできますね。
4読むときの注意
この試験はドイツのみで行われており、日本人への当てはまり方はわかりません。また盲検(二重盲検)ではないため、「良くなると思って使った」という心理効果を完全には除外できない点に注意が必要です。
