ひとことで言うと
めまいを伴う片頭痛(前庭性片頭痛)は、思考力や記憶力にも影響している可能性がある。
1研究のポイント
- 前庭性片頭痛の患者208人と健康な人180人を比べると、全体的な認知機能のスコアが大きく下がっていた(差の大きさを示す数値SMD -0.92)。「少し低い」ではなく「はっきり低い」レベルの差
- 「頭の中が霧がかかったよう」「考えるのが遅い」「物忘れが多い」といった症状が、患者の実感だけでなく、検査でも裏付けられた形になった
- 調べた研究をまとめると、前庭性片頭痛の患者の約74%(4人に3人)が「認知機能の低下あり」と判定されていた
2患者の私たちにとって
前庭性片頭痛は、めまいや頭痛だけでなく、仕事中の集中力の低下・うっかりミスの増加といった形で日常生活に影響する可能性があります。ただし、この研究は観察データのまとめなので、片頭痛が「原因」で認知機能が下がるのかどうかはまだわかりません。気になる症状がある場合は、頭痛専門の主治医に相談してみてください。
3頭痛専門医のひとこと
前川 裕貴(脳神経内科専門医・頭痛専門医)
「ブレインフォグ」は患者さんからよく聞く訴えですが、「気のせいでしょ」と流されがちでした。今回のデータはその感覚を数字で裏付けてくれたと思います。診察でもっとこの訴えに耳を傾けないといけないですね。
4読むときの注意
この研究は6件の観察研究をまとめたもので、片頭痛が認知機能を下げるという因果関係はまだわかりません。また、対象の研究数が少なく、今後さらなる検証が必要です。
