ひとことで言うと
3万8千人の調査で、頭痛専門外来の受診者は救急受診・入院が約15%少なかった。
1研究のポイント
- 対象は2018〜2023年の片頭痛患者3万8,472人。うち約4割が頭痛専門外来を受診
- 受診から90日以内に救急・緊急受診・入院が必要になった割合:専門外来12.6% vs 一般神経内科15.4%(差は約3ポイント)
- 年齢・保険・合併症などの条件をそろえて比較しても、専門外来受診者の緊急医療利用リスクは15〜33%低かった
- 若い患者・低所得層・慢性閉塞性肺疾患や高血圧を持つ患者は、緊急受診が多くなりやすい傾向があった
2患者の私たちにとって
片頭痛で救急に駆け込む経験がある方は少なくありません。この調査は、頭痛専門外来でしっかり診てもらうことで、その後の緊急受診や入院が減る可能性を示しています。「一般の神経内科でも診てもらっているけど、なかなか改善しない」と感じている場合は、頭痛専門外来への紹介について主治医に相談してみる価値があるかもしれません。
3頭痛専門医のひとこと
前川 裕貴(脳神経内科専門医・頭痛専門医)
観察研究なので「専門外来に行ったから救急が減った」と断言はできません。ただ3万人超のデータで一貫して差が出ているのは無視しにくい。専門外来では予防薬の調整や患者教育が手厚い分、発作の「逃げ道」が増えるんだと思います。アクセスの格差が課題ですね。
4読むときの注意
これは一施設の後ろ向き研究(過去のカルテを振り返る調査)で、「専門外来を受診したから改善した」という因果関係は確認できません。もともと病状が安定している患者が専門外来に集まりやすいなど、別の要因が結果に影響している可能性もあります。
