ひとことで言うと
五行鍼灸を12週間受けた頭痛患者93人で、頭痛日数・痛みの強さ・鎮痛薬の使用量がいずれも大きく減った。
1研究のポイント
- 4週あたりの頭痛日数が治療12週後に大幅減少(効果量d=−2.01)。統計的に「かなり大きな変化」とされる水準で、臨床的にも無視できない差
- 治療が終わった後の12週間の追跡期間でも改善がさらに進んだ(d=−2.50)。治療をやめても効果が維持・向上したという点が特徴的
- 頭痛の回数・痛みの強さ(VASスコア)・鎮痛薬の使用量・生活への支障度(HIT-6)のすべてで改善。また鍼に関連した副作用はゼロだった
2患者の私たちにとって
片頭痛・緊張型頭痛・三叉神経自律神経性頭痛の患者さんを対象に、中国の複数の医療機関で行われた観察研究です。五行鍼灸を1〜2週に1回・12週間続けたところ、頭痛への影響が複数の面で確認されました。治療後も改善が続いた点は興味を引きます。ただし比較対照群がなく「鍼が効いた」と断定できる段階ではないため、鍼灸治療に関心がある方はまず主治医にご相談ください。
3頭痛専門医のひとこと
前川 裕貴(脳神経内科専門医・頭痛専門医)
効果量d=2超えは数字だけ見るとかなり大きい。ただしコントロール群なし・中国の多施設という条件が揃っていて、プラセボ効果や自然経過の影響が分離できていない。論文自体も「RCTデザインの参考に」と書いており、今後の試験に期待する段階の話。鍼灸に関心を持つ患者さんへの会話のきっかけにはなりそう。
4読むときの注意
これは対照群(比較のグループ)のない観察研究のため、鍼灸そのものが効いたのか、時間の経過や他の要因が影響したのかは判断できません。因果関係は現時点では不明で、「鍼灸をやれば治る」と結論づけられる段階ではありません。
