ひとことで言うと
仕事のストレスは「不公平感」を通じて、頭痛の悪化・不眠・落ち込みにつながる。
1研究のポイント
- 仕事の負担が重い・自分で仕事をコントロールできないと感じると「職場に不公平に扱われている」という気持ちが生まれやすく、それが痛みの生活への影響・不眠・気分の落ち込みと間接的に結びついていた
- この研究は頭痛持ちの日本人労働者300人と腰痛持ち300人の計600人を対象にしたオンライン調査。仕事のストレス→不公平感→つらさ、という経路が統計モデルで確認された
- 「不公平感」を測る日本語の質問票(IEQ-SF-J)の精度も検証され、一定の信頼性が確認された(内部一貫性α=0.82)。今後の研究や臨床評価での活用が期待される
2患者の私たちにとって
頭痛が仕事中に悪化すると感じている人は、痛み自体だけでなく「職場で軽く扱われている」「理不尽だ」という感覚も、つらさを増幅させている可能性があります。この研究は横断調査なので因果関係の断定はできませんが、職場環境や気持ちの面から頭痛を捉え直すきっかけになるかもしれません。気になる方はかかりつけ医や頭痛専門医に相談してみてください。
3頭痛専門医のひとこと
前川 裕貴(脳神経内科専門医・頭痛専門医)
「心理社会的要因」って難しく聞こえるけど、要は「職場でモヤモヤしてると痛みが余計きつくなるよ」という話。頭痛外来でも「仕事がしんどくて…」と話してくれる患者さんは多い。痛みの治療と並行して、職場のストレスに目を向ける視点、改めて大事だなと感じます。
4読むときの注意
この研究は一時点のアンケート調査のため、「不公平感があるから頭痛が悪化した」という因果関係はわかりません。また、自己申告によるデータのため、個人差も大きい点に注意が必要です。
