ひとことで言うと
超音波ガイド下の大後頭神経ブロックが、片頭痛の痛みや頻度を大きく減らすことがわかってきた。
1研究のポイント
- 12の研究・658人分のデータを統合した結果、注射後に痛みの強さが平均3.5ポイント低下(10点満点のスケールで約3分の1以上改善)
- 1か月あたりの頭痛日数が平均9日以上減少し、頭痛1回あたりの持続時間も約19時間短縮。市販薬・鎮痛剤を使う回数も月10回以上減った
- 注射部位は「首の付け根に近い場所(proximal)」と「やや離れた場所(distal)」の2種類で比較すると、頭痛の頻度を減らす効果は近い場所への注射でやや大きい傾向(月10.8日 vs 6.4日の減少)。ただしこれは直接比較ではなく、間接的な比較に基づく結果
2患者の私たちにとって
大後頭神経ブロックとは、後頭部の神経に少量の麻酔薬などを注射して、頭痛の回路を一時的にリセットする治療法です。飲み薬が効きにくい方や予防薬を増やしたくない方にとって、選択肢のひとつになり得ます。副作用は一時的なしびれやめまいが多く、重篤なものは少ない結果でした。ご自身に合うかどうかは、頭痛専門医に相談してみてください。
3頭痛専門医のひとこと
前川 裕貴(脳神経内科専門医・頭痛専門医)
実は大後頭神経ブロックって昔からある手技なんですが、「どこに打つか」でこんなに違いが出るとは。超音波で神経を見ながら打てるようになって、再現性が上がったのが大きいですね。外来でできる手技なので、薬物療法と組み合わせやすいのも地味に助かります。
4読むときの注意
今回のまとめ研究に含まれた試験は規模が小さく、注射部位の直接比較はできていません。また、注射の方法や使用する薬剤が施設によって異なるため、結果をそのまま全員に当てはめるのは難しい面があります。
