ひとことで言うと
慢性片頭痛+薬物乱用頭痛の患者に点滴薬が24週間にわたり効果を維持した。
1研究のポイント
- 対象は慢性片頭痛と薬物乱用頭痛を両方もつ成人608名。全員が「薬の飲みすぎについての患者教育」を受けたうえで試験に参加した。
- 最初の12週間で効果が出たグループは、24週目まで片頭痛日数の減少・生活の質の改善が続いた。つまり『最初に効けば、その後もしっかり効き目が保たれた』ということ。
- 最初の12週間はプラセボ(偽薬)だったグループも、13週目から本薬に切り替えたところ、同程度まで改善。副作用の割合は両グループともおよそ30〜34%で大きな差はなく、新たな安全上の問題も見つからなかった。
2患者の私たちにとって
「頭痛が怖くて鎮痛薬を手放せない」という悪循環に入り込んでいる方にとって、薬を変えるだけでなく患者教育と組み合わせるアプローチが半年間にわたって効果を維持できる可能性を示しています。ただし、今回の点滴薬(エプチネズマブ)は日本ではまだ承認されていません。将来の選択肢として覚えておきつつ、今の治療選択肢については主治医にぜひ相談してみてください。
3頭痛専門医のひとこと
前川 裕貴(脳神経内科専門医・頭痛専門医)
薬物乱用頭痛って、「やめなさい」と言うだけでは全然改善しないんですよね。教育プログラムと予防薬をセットにする流れは理にかなっている。日本でも同じ考え方は応用できるので、今の予防薬で悩んでいる方は一度外来で話しましょう。
4読むときの注意
エプチネズマブは日本未承認の点滴薬です。今回はランダム化比較試験ですが、対象が「慢性片頭痛+薬物乱用頭痛」という特定の患者層に限られるため、すべての片頭痛患者に同じ結果が当てはまるとは限りません。
