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子どもが頭痛で学校を休むとき
最終更新 2026年10月9日
「朝起きられない」「学校に行くと保健室へ」。叱る前に知ってほしい、頭痛のある子どもが実際にどれくらい学校を休んでいるかの記録と、親ができることです。
朝、子どもが起きてこない。「頭が痛い」と言うけれど熱はない。昨日は元気だった。そんな朝が続くと、親は「本当は行きたくないだけでは」と思ってしまいます。この記事では、頭痛のある子どもが実際にどれくらい学校を休んでいるのかを頭痛日誌アプリの記録から示し、親ができることを頭痛専門医がまとめます。
頭痛のある小中学生は、頭痛の日の5日に1日休んでいる
頭痛日誌アプリ「ズツノート」に記録している10代134名と大人1,990名について、頭痛があった日に学校や仕事を休んだ割合を集計しました(2026年6月〜10月・休日を除く)。
| 年代 | 頭痛の日に休んだ割合 | 痛みが強い日でも登校・出勤した割合 |
|---|---|---|
| 小中学生(10〜15歳) | 21%(5日に1日) | 56% |
| 高校生(16〜19歳) | 9% | 81% |
| 大人(20歳以上) | 5%(20日に1日) | 85% |
小中学生は、頭痛の日の5日に1日は学校を休んでいました。大人の4倍です。それでも、痛みが強い日(10段階で7以上)の半分以上は我慢して登校しています。頭痛で休む子は、我慢が足りないのではなく、我慢しきれなかった日だけ休んでいるのです。しかも登校した日の76%は「勉強に支障があった」と記録されていました。
※頭痛に悩んで記録している利用者の数字で、子ども全体の割合ではありません。
休んだ日の頭痛には、はっきりした特徴がある
- 休んだ日の7割は、朝から痛みが始まっていた
- 4人に1人は吐き気があった(登校した日は6人に1人)
- 痛みの強さは平均7(登校した日は5)
朝から強く痛み、吐き気がして起き上がれない。これは片頭痛の典型的な姿です。本人は「頭が痛い」としか言えないので、親からは「朝起きられない子」「学校に行きたがらない子」に見えてしまいます。片頭痛は珍しい病気ではなく、日本頭痛学会のガイドラインでは小学生の3.5%、中学生の4.8%、高校生の15.6%が片頭痛です。高校生なら、1クラスに6人います。
朝起きられない子では、もう一つ「起立性調節障害」も考える必要があります。片頭痛との違いと見分け方は、朝起きられない子どもの頭痛:片頭痛と起立性調節障害の違いにまとめました。
文部科学省の不登校調査に「頭痛」の欄はない
2024年度の小中学生の不登校は353,970人で、12年連続で過去最多でした。この調査で子どもが挙げる理由の選択肢に、「頭痛」はありません。学校も家庭も、頭痛を欠席の理由として数えていないのが現状です。頭痛で休む日が重なっているなら、まず「頭痛で休んでいる」と数えることから始まります。
親が今日できること
1. 叱る前に、頭痛の日を数える
いつ、どのくらいの痛みで、吐き気はあったか、学校を休んだか。手帳のメモでかまいません。「この3か月で、頭痛で6日休んでいます」と数字で言えるだけで、学校の先生の見方も、医師の診察も変わります。
2. 学校を休むほどの頭痛が月1回あれば、受診する
学校を休むほどの頭痛が月に1回でもあれば、受診の目安です。まずは小児科やかかりつけ医に、学校を休んだ日のことを具体的に伝えてください。子どもの頭痛にも、年齢に合わせた治療や生活の工夫があります。薬の選び方は年齢によって違うので、市販薬を含めて自己判断せず、医師に相談してください。
3. 記録は親のスマホでつけられる
10代は自分では記録しません。最初の数か月は、親子で記録する前提で始めるのが現実的です。
頭痛日誌アプリ「ズツノート」
家族アカウントで、保護者のスマホからお子さんの頭痛を記録できます。休んだ日・痛みの強さ・吐き気が自動で集計され、かかりつけの医師に共有できます。
子どもの頭痛について、あわせて読む
よくある質問
頭痛で学校を休む子どもは、どのくらいいますか?
頭痛日誌アプリ「ズツノート」の記録(2026年6〜10月)では、頭痛のある小中学生は頭痛があった日の21%、つまり5日に1日学校を休んでいました。大人は5%です。頭痛に悩んで記録している利用者の数字で、子ども全体の割合ではありません。
頭痛で休むのは我慢が足りないからですか?
記録を見る限り、そうではありません。痛みが強い日(10段階で7以上)でも、小中学生の56%、高校生の81%は休まずに登校していました。休む日は朝から痛みが始まり、4人に1人は吐き気を伴っていました。我慢しきれなかった日だけ休んでいる、というのが記録から見える姿です。
子どもの頭痛は、いつ受診すればいいですか?
学校を休むほどの頭痛が月に1回でもあれば受診の目安です。まずは小児科やかかりつけ医に、休んだ日のことを具体的に伝えてください。朝起きられないことが主な訴えなら、片頭痛だけでなく起立性調節障害の可能性も含めて診てもらえます。
親は何を記録すればいいですか?
いつ、どのくらいの痛みで、吐き気はあったか、学校を休んだか。手帳のメモでも構いません。「この3か月で頭痛で6日休んだ」と数字で言えると、学校にも医師にも伝わります。ズツノートの家族アカウントを使うと、保護者のスマホからお子さんの記録をつけられます。
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執筆・監修者
脳神経内科専門医・頭痛専門医。東京大学 脳神経内科で診療・研究に従事したのち、頭痛診療に専念。頭痛診療に欠かせない頭痛日誌が、いまだに紙での運用が多く、市販のアプリも使いにくいものばかりであることに課題を感じ、自ら頭痛日誌アプリ『ズツノート』を開発した。エンジニアとしても活動する“つくる頭痛専門医”として、診療と開発の両面から頭痛医療に取り組んでいる。
現在の所属:埼玉精神神経センター 頭痛専門外来 / 荏原ホームケアクリニック 頭痛センター長
開発した頭痛日誌アプリ「ズツノート」を見る頭痛は「我慢するもの」ではなく「付き合い方を整えるもの」です。自分に合った頭痛外来を見つけることが、その大切な第一歩になります。
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