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中学生・高校生の片頭痛:薬・生活・親の関わり方
最終更新 2026年10月9日
10代の片頭痛は、薬だけではなかなか動きません。特徴、薬の現状、生活のポイント、親の関わり方を頭痛専門医がまとめました。
片頭痛は大人の病気と思われがちですが、10代にも多い病気です。日本頭痛学会のガイドラインでは、小学生の3.5%、中学生の4.8%、高校生の15.6%が片頭痛と報告されています。高校生なら1クラスに6人です。この記事では、10代の片頭痛の特徴、薬の現状、生活のポイント、そして親の関わり方を頭痛専門医がまとめます。
10代の片頭痛の特徴
- 発作が大人より短いことがある(数時間で治まる)
- 頭の両側が痛むことも多く、「片頭痛らしくない」と見過ごされる
- 吐き気や、光・音がつらい症状を伴う
- 寝不足・寝すぎ、朝食を抜く、水分不足、試験や行事のストレス、月経がきっかけになりやすい
- 気持ちや環境の影響が大きい。楽しい予定の日には起きない、ということが本当にある
薬の現状:10代は「薬が支えきれていない」
頭痛日誌アプリ「ズツノート」の記録では、10代が頭痛の日に薬を飲まなかった割合は61%で、大人の39%より明らかに高い結果でした。飲んだ日も、2時間後に痛みが半分以下になったか治ったのは48%(大人は70%)にとどまります。
背景には、日本では10代に使える片頭痛の薬の選択肢が大人より限られていることと、「子どもに市販薬を飲ませていいのか」という親のためらいがあります。飲むのが遅れ、量も足りない、ということが起きやすいのです。
薬の種類・量・飲むタイミングは、年齢と体重で変わります。市販薬を含めて自己判断せず、小児科やかかりつけ医に相談してください。月に10日以上痛み止めを飲む状態が続くと、薬の飲みすぎ自体が頭痛を増やすことがあるので、飲んだ日数を記録しておくことが大切です。
生活のポイント
10代の片頭痛では、薬を増やすより生活を整える方が効くことがよくあります。頭痛専門医として、最初に整えてもらうのは次の4つです。
- 起きる時間を毎日そろえる(休日も2時間以上ずらさない)
- 朝食を食べる。空腹は発作のきっかけになる
- 水分をとる。授業中に飲めない学校では、登校前と休み時間に
- 寝る前のスマホを減らす。寝不足が一番のきっかけ
親の関わり方
重い片頭痛の子の親は、たいてい心配が先に立ちます。それ自体は自然なことですが、「叱る」と「過剰に守る」のどちらに振れても本人は楽になりません。
- さぼりと決めつけない。痛みが強い日でも半分以上の子は我慢して登校しています(子どもが頭痛で学校を休む)
- 記録を一緒につける。本人は記録しないので、最初の数か月は親が代わりにつける前提で
- 学校には数字で伝える。「頭痛で月◯日休んでいる・診断を受けている」と伝えると、保健室の使い方や欠席の扱いが相談しやすくなる
- 本人に任せる部分をつくる。薬を飲むタイミングや記録を本人の役割にしていくと、自分の頭痛と付き合う力が育ちます
受診の目安
学校を休むほどの頭痛が月に1回以上ある、月に8日以上頭痛がある、痛み止めを月10日以上飲んでいる。どれか1つでも当てはまれば、受診の目安です。朝起きられないことが主な訴えなら、片頭痛と起立性調節障害の違いも読んでみてください。
頭痛日誌アプリ「ズツノート」
頭痛があった日・薬・強さ・休んだかを毎日1分で記録。家族アカウントで保護者のスマホからも記録でき、月の頭痛日数と服薬日数が自動で集計されます。
よくある質問
中学生・高校生の片頭痛はどのくらいいますか?
日本頭痛学会「頭痛の診療ガイドライン2021」では、片頭痛は小学生の3.5%、中学生の4.8%、高校生の15.6%と報告されています。高校生なら1クラスに6人の計算です。
子どもの片頭痛に市販薬を使ってもいいですか?
薬の種類・量・飲むタイミングは年齢と体重で変わり、10代に使える片頭痛の薬の選択肢は大人より限られています。市販薬を含めて自己判断せず、小児科やかかりつけ医に相談してください。月に10日以上痛み止めを飲む状態が続くと、薬の飲みすぎ自体が頭痛を増やすことがあります。
薬以外にできることはありますか?
起きる時間を毎日そろえる、朝食を食べる、水分をとる、寝る前のスマホを減らす、の4つです。10代の片頭痛は気持ちや生活の影響が大きく、薬を増やすより生活を整える方が効くことがよくあります。
親はどう関わればいいですか?
さぼりと決めつけないこと、記録を一緒につけること、学校には「頭痛で月◯日休んでいる」と数字で伝えること、そして薬や記録を少しずつ本人の役割にしていくことです。叱るのも過剰に守るのも、本人を楽にはしません。
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執筆・監修者
脳神経内科専門医・頭痛専門医。東京大学 脳神経内科で診療・研究に従事したのち、頭痛診療に専念。頭痛診療に欠かせない頭痛日誌が、いまだに紙での運用が多く、市販のアプリも使いにくいものばかりであることに課題を感じ、自ら頭痛日誌アプリ『ズツノート』を開発した。エンジニアとしても活動する“つくる頭痛専門医”として、診療と開発の両面から頭痛医療に取り組んでいる。
現在の所属:埼玉精神神経センター 頭痛専門外来 / 荏原ホームケアクリニック 頭痛センター長
開発した頭痛日誌アプリ「ズツノート」を見る頭痛は「我慢するもの」ではなく「付き合い方を整えるもの」です。自分に合った頭痛外来を見つけることが、その大切な第一歩になります。
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