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頭痛の種類と見分け方

最終更新 2026年10月19日

「自分の頭痛はどのタイプ?」と思った方へ。頭痛の大きな分け方と、片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛・薬の飲みすぎによる頭痛の違いを、頭痛専門医が国際頭痛分類に沿って比較表でまとめました。

前川 裕貴 - 頭痛専門医

この記事の監修・執筆

前川 裕貴

脳神経内科専門医・頭痛専門医

頭痛日誌アプリ「ズツノート」開発者

日本頭痛学会 専門医日本神経学会 専門医日本内科学会 内科専門医難病指定医

ズツノートとは?

頭痛専門医が開発した無料の頭痛日誌アプリ。頭痛・お薬・体調を記録するだけで自動でグラフ化し、主治医にそのまま共有できます。

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頭痛は大きく、ほかに原因となる病気がない「一次性頭痛」と、病気やけがが原因で起こる「二次性頭痛」の2つに分かれます。くり返す頭痛の多くは一次性頭痛で、その代表が片頭痛(偏頭痛)・緊張型頭痛・群発頭痛です。一方、くも膜下出血や髄膜炎のような二次性頭痛は、急いで受診が必要なことがあります。この記事では、頭痛の種類ごとの特徴と見分け方、危険な頭痛のサイン、何科に行けばよいかを、頭痛専門医がまとめます。

頭痛にはどんな種類がある?

頭痛の種類は、国際頭痛分類(ICHD-3)で300種類以上に分けられていますが、患者さんがまず知っておきたいのは「一次性」と「二次性」の違いです。

分類どんな頭痛か主な例
一次性頭痛頭痛そのものが病気。検査をしても脳に異常は見つからない片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛
二次性頭痛ほかの病気やけが、薬などが原因で起こる頭痛くも膜下出血、脳出血、髄膜炎、脳腫瘍、副鼻腔炎、頭のけが、薬の飲みすぎによる頭痛

頭痛外来に来る人の多くは一次性頭痛ですが、二次性頭痛を見逃さないことが診察の最初の仕事です。なお、同じ人が2種類以上の頭痛を持っていることも珍しくありません。

片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛・薬の飲みすぎ頭痛の違いは?

見分けるときは、痛み方・続く時間・一緒に出る症状・体を動かしたときの変化の4つを見ます。代表的な4つの頭痛を並べると次のようになります。

片頭痛緊張型頭痛群発頭痛薬の飲みすぎ頭痛
痛み方ズキンズキンと脈打つ締めつけられる、重い目の奥をえぐられるような激痛もとの頭痛(片頭痛や緊張型頭痛)が増え、毎日のように続く
痛む場所片側が多い(両側も)両側、頭全体必ず片側の目のまわりもとの頭痛による
続く時間4〜72時間30分〜7日15分〜3時間頭痛のある日が月15日以上
一緒に出る症状吐き気、光や音がつらいほとんどない痛む側の涙、鼻水、目の充血もとの頭痛による
動くと悪化する。じっとしていたい悪化しないじっとしていられず動き回るもとの頭痛による
多い人20〜40代の女性年齢・性別を問わない20〜40代の男性頭痛薬を飲む日が月10日以上(成分が1種類の鎮痛薬は月15日以上)の状態が3か月を超えて続いている人

片頭痛

脈打つような痛みが4〜72時間続き、吐き気や光・音のつらさを伴う頭痛です。日本の全国調査では15歳以上の8.4%が片頭痛を持っていて、女性は男性の3倍以上でした(Sakai 1997)。一部の人には、頭痛の前に目の前がギザギザ光る「前兆」があります。詳しくは片頭痛とはにまとめています。

緊張型頭痛

頭全体が締めつけられるような軽い〜中等度の痛みが、30分〜7日続く頭痛で、頭痛の中でもっとも多い種類です。鳥取県大山町の住民調査では、緊張型頭痛は22.3%、片頭痛は6.0%でした(Takeshima 2004)。動いても悪化せず、吐き気はありません。頭痛のある日が月に15日以上の状態が3か月を超えて続くと「慢性緊張型頭痛」と呼ばれます。

群発頭痛

片側の目の奥に、えぐられるような激しい痛みが15分〜3時間続き、数週間から数か月の期間(群発期)に毎日のように起こる頭痛です。群発期は1〜2か月続くことが多く、その間は1日おきから1日8回まで発作が起こり、群発期が終わると、数か月から数年、発作のない時期が続きます。痛む側の目から涙が出る、目が赤くなる、鼻水や鼻づまり、まぶたが下がるといった症状を伴い、痛みでじっとしていられなくなります。夜中の決まった時間に起こりやすく、群発期にはお酒で発作が起こります。およそ1000人に1人程度と少ない頭痛で、20〜40代の男性に多いとされています。

群発頭痛は痛みが非常に強いうえ、市販の頭痛薬はほとんど効きません。発作のときは、スマトリプタンの皮下注射(自分で打てる注射)や、純酸素の吸入が使われます。酸素は自宅で吸えるよう、医療機関から酸素ボンベを貸し出す在宅酸素療法が保険で認められています。群発期のあいだは、発作を起こりにくくする予防の薬(ベラパミルや、短期間のステロイドなど)を併せて使います。どの治療を使うかは主治医と相談して決めるので、疑わしい場合は頭痛外来や脳神経内科を受診してください。

薬の飲みすぎによる頭痛(薬剤の使用過多による頭痛)

もともと頭痛がある人が頭痛薬を飲みすぎることで、頭痛が月に15日以上に増えてしまう状態です。国際頭痛分類では二次性頭痛に入ります。目安は、成分が1種類だけの鎮痛薬を月に15日以上、トリプタンや、カフェインなどを組み合わせた鎮痛薬(市販の頭痛薬の多く)を月に10日以上、3か月を超えて飲み続けている場合です。人口の1〜2%に見られると推定されています(Westergaard 2014)。

「頭痛がするから薬を飲む、薬を飲むから頭痛が増える」という悪循環になりやすく、自分では気づきにくいのが特徴です。薬の回数が増えてきたら、自己判断で薬を急にやめたり増やしたりせず、主治医に相談してください。予防の治療などで抜け出せることが多い状態です。市販薬で思い当たる人は市販の頭痛薬を飲む日が多い人へをご覧ください。

危険な頭痛のサインは?

「突然の」「今までで最悪の」「いつもと違う」頭痛や、発熱・手足のしびれ・ろれつの回りにくさ・意識の異常を伴う頭痛は、二次性頭痛のサインのことがあります。こうした頭痛は頭痛外来の予約を待たず、すぐに救急を受診してください。医師が使う見分け方(SNNOOP10)をもとにしたサインの一覧は、頭痛で病院に行くべき?受診の目安にまとめています。

頭痛は何科を受診すればいい?

くり返す頭痛は頭痛外来か脳神経内科、突然の激しい頭痛やいつもと違う頭痛は救急か脳神経外科が基本です。診療科ごとの違いと頭痛外来の探し方は頭痛外来の選び方で、頭痛を専門に診る医師については頭痛専門医とはで詳しく説明しています。

自分の頭痛の種類を知るには?

頭痛の種類は、頭痛の起こり方を記録して医師に見せるのがいちばん確かな方法です。頭痛の種類は検査ではなく、痛み方・時間・頻度・一緒に出る症状から診断するため、記憶よりも記録のほうが正確な材料になります。

1〜2か月分の記録があれば、片頭痛と緊張型頭痛が混ざっているか、薬を飲む日が増えていないかも見えてきます。何を書けばよいかは頭痛ダイアリーの書き方で紹介しています。

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頭痛の時間・強さ・一緒に出た症状・飲んだ薬をタップで記録。月ごとの頭痛日数と服薬日数がグラフになり、受診のときに主治医へそのまま見せられます。

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まとめ

頭痛は、病気のない一次性頭痛と、病気が原因の二次性頭痛に分かれます。くり返す頭痛の多くは片頭痛や緊張型頭痛で、群発頭痛や薬の飲みすぎによる頭痛もあります。突然の激しい頭痛やいつもと違う頭痛は、迷わず救急へ。くり返す頭痛は我慢せず、頭痛外来や脳神経内科で主治医に相談してください。

参考にした資料

  • Headache Classification Committee of the International Headache Society. The International Classification of Headache Disorders, 3rd edition (ICHD-3). Cephalalgia. 2018;38:1-211.
  • 日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会(監修). 頭痛の診療ガイドライン2021. 医学書院; 2021.
  • Do TP, et al. Red and orange flags for secondary headaches in clinical practice: SNNOOP10 list. Neurology. 2019;92:134-144.
  • Sakai F, Igarashi H. Prevalence of migraine in Japan: a nationwide survey. Cephalalgia. 1997;17:15-22.
  • Takeshima T, et al. Population-based door-to-door survey of migraine in Japan: the Daisen study. Headache. 2004;44:8-19.
  • Westergaard ML, et al. Prevalence of chronic headache with and without medication overuse associated with socioeconomic position: a systematic review. Cephalalgia. 2014;34:409-425.

よくある質問

頭痛にはどんな種類がありますか?

大きく、ほかに原因となる病気がない「一次性頭痛」と、病気やけが・薬などが原因で起こる「二次性頭痛」に分かれます。一次性頭痛の代表は片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛で、二次性頭痛にはくも膜下出血・髄膜炎・副鼻腔炎・薬の飲みすぎによる頭痛などがあります。国際頭痛分類(ICHD-3)では300種類以上に分けられています。

いちばん多い頭痛は何ですか?

緊張型頭痛です。頭全体が締めつけられるような軽い〜中等度の痛みが30分〜7日続き、動いても悪化せず吐き気はありません。日本の住民調査(鳥取県大山町)では緊張型頭痛が22.3%、片頭痛が6.0%でした(Takeshima 2004)。

群発頭痛とはどんな頭痛ですか?

片側の目の奥にえぐられるような激しい痛みが15分〜3時間続き、数週間から数か月(多くは1〜2か月)の群発期に毎日のように起こる頭痛です。痛む側の涙・目の充血・鼻水を伴い、痛みでじっとしていられなくなります。20〜40代の男性に多く、市販の頭痛薬はほとんど効きません。発作にはスマトリプタンの皮下注射や純酸素の吸入(在宅酸素療法は保険適用)、群発期にはベラパミルなどの予防薬が使われるので、頭痛外来や脳神経内科で相談してください。

頭痛薬の飲みすぎで頭痛が増えることはありますか?

あります。もともと頭痛がある人が、成分が1種類だけの鎮痛薬を月に15日以上、トリプタンやカフェインなどを組み合わせた鎮痛薬(市販の頭痛薬の多く)を月に10日以上、3か月を超えて飲み続けると、頭痛が月15日以上に増える「薬剤の使用過多による頭痛」になることがあります。自己判断で薬を急にやめたり増やしたりせず、主治医に相談してください。

危険な頭痛はどう見分けますか?

突然の激しい頭痛、今までで最悪の頭痛、いつもと違う頭痛や、発熱・手足のしびれ・ろれつが回らない・意識の異常を伴う頭痛は、くも膜下出血や髄膜炎など二次性頭痛のサインのことがあります。当てはまる場合はすぐに救急を受診してください。

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執筆・監修者

前川 裕貴 - 頭痛専門医・ズツノート開発者
前川 裕貴

脳神経内科専門医・頭痛専門医

頭痛日誌アプリ「ズツノート」開発者

日本頭痛学会 専門医日本神経学会 専門医日本内科学会 内科専門医難病指定医

脳神経内科専門医・頭痛専門医。東京大学 脳神経内科で診療・研究に従事したのち、頭痛診療に専念。頭痛診療に欠かせない頭痛日誌が、いまだに紙での運用が多く、市販のアプリも使いにくいものばかりであることに課題を感じ、自ら頭痛日誌アプリ『ズツノート』を開発した。エンジニアとしても活動する“つくる頭痛専門医”として、診療と開発の両面から頭痛医療に取り組んでいる。

2020–2023東京大学 脳神経内科
2023–昭和医科大学 客員講師 / 埼玉精神神経センター 頭痛専門外来 / 荏原ホームケアクリニック 頭痛センター長
2025–株式会社 Iris Wellness 代表(頭痛日誌アプリ「ズツノート」を開発・運営)

現在の所属:埼玉精神神経センター 頭痛専門外来 / 荏原ホームケアクリニック 頭痛センター長

頭痛は「我慢するもの」ではなく「付き合い方を整えるもの」です。自分に合った頭痛外来を見つけることが、その大切な第一歩になります。

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